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2020年税制改正!パート収入で「働き損」を回避するには?

no.023 2020年1月1日(水)

子育てをしながら時短で働いているママ、子どもが成長し、今から仕事に復帰しようと考えているママたちが気になるのが、2018年から続く税制改正。

変更内容などをざっくり解説していきます。

2018年の税制改正による変更内容は?

これまで扶養控除の関係でよく耳にしていた「103万円の壁」「130万円の壁」という言葉。

どんどん数字が変わっていって、結局今の「壁」はどこにあるんでしょうか。

 

まず扶養控除には「税制上の扶養」「社会保険上の扶養」の2つの制度が存在します。

今回はこの「税制上の扶養」に焦点を当てて解説していきます。

 

税制改正の話の前に、改めて頭に入れておきたいのが「配偶者控除」と「配偶者特別控除」。

配偶者控除」…所得のない、あるいは所得の少ない配偶者を持つ人の税金を安くする制度。

配偶者特別控除」…年収が103万円超(年間所得金額が38万円超※上限あり)の配偶者を持つ人に対し、税金を安くする制度。

 

まず、2018年1月から税改正で大きく改定されたのは下記のこの2つ。

 

<POINT1>「配偶者控除」は夫の年収によって段階的に控除額が減る

それまでは夫の収入に関わらず妻の年収が103万円(年間所得38万円)以下であれば38万円の配偶者控除を満額受けることができていました。

しかし、2018年から夫の収入が1,120万円を超えている場合、控除額は段階的に減額。

要するに、夫の年収が高い場合、同じように扶養の範囲内で働いていても支払う税金が増えていく仕組みになりました。

 

<POINT2>「配偶者特別控除」の控除上限額が大幅にUP

これまでは妻の収入が141万円(年間所得76万円)未満の世帯だけ控除が受けられていました。

ところが2018年より、上限額は201万円(年間所得123万円)以下までが対象となりました。

さらに、妻の年収が150万円(年間所得85万円)まで満額である38万円の控除が受けられます。

 

<2018年まとめ>

2018年の税制改正により、38万円の控除を受けられるのは前述の通り妻の年収150万円まで広がることになりました。

ただし、年収103万円を超えると所得税を支払わなくてはいけなくなること、年収130万円を超えると扶養から外れて年金や保険料を負担する必要が出てくることは以前と同じです。

 

2020年税制改正による変更内容は?

これまでは妻の年収が103万円を超えなければ、妻に所得税は課されず、配偶者である夫は配偶者控除が受けられるため、夫の所得税から38万円を差し引き計算される仕組みでした。

住民税についてもパート収入が100万円以下であれば課税されません。

 

これが2020年税制改正によりどう変わるのでしょうか?

 

まず、基礎控除が一律10万円引き上げられ、38万円から48万円に。

一方で給与所得控除は給与収入850万円までは10万円減額となり、65万円から55万円に縮小されます。

 

夫の給与収入が850万円以上になると、給与所得控除額が上限の195万円になり、それ以上給与が増えても給与所得控除は増えません。

(例)夫の年収860万円

給与所得控除:25万円減 基礎控除:10万円増

=2019年までと比べて控除額合計が15万円減ることになります。

 

一方、妻のパート収入は、2019年までは合計所得金額が38万円以下(年収103万円以下)であることとされていましたが、2020年度以降は給与所得控除額が10万円引き下げられるため、合計所得金額が「48万円以下」であれば配偶者控除や扶養控除が適応されます。

ただしこれまで同様、給与収入の要件は変わらず、年収額は「103万円以下」のまま変更はありません。

つまり、これまで通り年収が103万円以下であれば、引き続き配偶者控除や扶養控除が受けられます。

 

改正後!働き損にならない事例

では2020年の税制改正後、これまでの働き方では損をするのかどうかをシミュレーションしてみましょう。

 

【主婦A子さんの場合】

98万円(給与収入)-55万円(給与所得控除額)=43万円(合計所得金額)

合計所得金額が48万円以下のため、配偶者控除や扶養控除が受けられます。

 

【主婦B子さんの場合】

110万円(給与収入)-55万円(給与所得控除額)=55万円(合計所得金額)

合計所得金額が48万円以上ですが、 主婦B子さんのケースであっても2020年以降の税制改正後であれば、仮に夫の年収が850万円以下の場合に限り、これまでと同じように38万円の控除が受けられます。

配偶者特別控除とは別に、パート収入が106万円を超えると社会保険の加入要件に当てはまる場合があり、保険料負担が発生します。

その場合、世帯収入が多少減ることを覚えておきましょう。

106万円を超える場合は、125万円程度の収入を目安にすると世帯収入としてはお得になることもあります。

 

【主婦C子さんの場合】

135万円(給与収入)-55万円(給与所得控除額)=80万円(合計所得金額)

同じく夫の年収が850万円以下で「配偶者特別控除」が受けられます。

妻の勤務先で社会保険に加入していて年収が130万円を超える場合、手取り減少のリスクを避けるために150万円ほどの年収を目指すと良いでしょう。

妻の年収150万円が配偶者特別控除の満額(38万円)が受けられる上限です※夫の年収によって減額されるケースもあります

 

妻が自分で国民健康保険・国民年金に加入して保険料を払う場合は171万円以上の年収でいわゆる「働き損」を回避できます。

 

 

まとめ

夫の年収によって差が出てくる今回の税制改正。

今回ご紹介したシュミレーションは一例として、全てのご家庭に当てはまるわけではありません。

それぞれのご家庭で「我が家の場合の妻の働き方」についてこれを機に検討し、ご夫婦で話し合われてみてはいかがでしょうか。